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インバウンド成功事例Korea's Templestay Program

寺に泊まる体験を、
国の観光資源に

公開 更新 文・細川明日香(株式会社芸苑道 代表)読了 約7分
寺に泊まる体験を、国の観光資源に——韓国「テンプルステイ」、2025年は34万9千人・うち外国人5万5千人で過去最多
ANSWER

韓国のテンプルステイは、寺院に泊まり、礼仏や瞑想、僧侶との茶話などを通じて寺の生活を体験できるプログラムです。2002年のサッカーワールドカップを機に33寺で始まり、運営する大韓仏教曹渓宗の韓国仏教文化事業団によると、2025年は全国158寺で34万9,219人(うち外国人5万5,515人)が参加し、過去最多になったと報じられています。参加者のうち仏教徒は約3分の1で、宗教の枠を超えた文化体験・休息の場として定着している点が特徴です。

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What It Isテンプルステイとは?

テンプルステイは、韓国の寺院に滞在し、仏教の文化と寺の日常を体験できるプログラムです。公式サイトでは、主な体験として寺院の案内、参禅・瞑想、僧侶との茶話、発盂供養(伝統的な作法による食事)、礼仏、108拝、蓮灯や数珠づくりが紹介されています[5]。

プログラムは、日帰りで参加できる形、体験を中心にした形、休息を中心にした形、団体向けの形などに分かれ、公式サイトから全国の寺院を検索して予約できます[5]。運営は、大韓仏教曹渓宗の韓国仏教文化事業団が担っています[1][2]。

本記事の数値は、韓国仏教文化事業団の発表をもとにした韓国の報道によります。芸苑道と同事業団との提携関係はありません。

Origins and Growthテンプルステイは、どのように広がったのか

報道によると、テンプルステイは2002年のサッカーワールドカップ(日韓共催)に合わせて、訪れる外国人の宿泊不足への対応と、韓国仏教文化の紹介を目的に始まりました。初年の2002年は33寺で、参加者は2,558人(うち外国人1,259人)でした[3][4]。

テンプルステイの参加者数の推移
  • 2002年2,558人
  • 2011年212,487人
  • 2019年294,796人
  • 2020年115,957人
  • 2022年218,179人
  • 2023年286,605人
  • 2024年332,297人
  • 2025年349,219人

新型コロナの影響で2020年に大きく減りましたが、2023年以降は回復し、2025年は過去最多となりました。

出典:ヘラルド経済(2026年1月18日)、仏教新聞(2026年7月20日)、The Korea Herald(2026年2月25日)の報道をもとに作成。報道により1人単位でわずかな差があります

2025年の参加者は34万9,219人(国内29万3,704人、外国人5万5,515人)で前年比5.1%増、過去最多でした。同じ人の複数回の参加を含む延べ人数は62万5,304人と報じられています[1][3]。2002年から2025年までの累計参加者は約418万人にのぼります[3]。

Who Takes Part参加しているのは、仏教徒なのか

韓国仏教文化事業団が2026年2月に公表した参加者調査(回答者27,563人)によると、参加者のうち仏教徒は33.7%で、宗教をもたない人が52.5%でした[2]。外国人参加者では、仏教徒は9.9%にとどまっています[2]。

報道は、参加者の増加の背景として、訪韓外国人の増加や、K-POPなどの大衆文化への関心が伝統文化の体験にも広がっていることを挙げています[3]。宗教の儀礼を体験しながらも、多くの参加者にとっては休息や文化体験の場になっていることがうかがえます。

What Makes It Workこの仕組みの、どこが参考になるのか

  • 全国の寺院を一つの名前で束ねている:個々の寺院の取り組みを「テンプルステイ」という共通の名前でまとめ、一つの公式サイトから検索・予約できるようにしています[5]。
  • 過ごし方を選べる:日帰り、体験中心、休息中心、団体向けと、滞在の目的に合わせて選べる形にしています[5]。
  • 大きな行事を始まりにした:2002年のワールドカップを機に始まり、2018年の平昌冬季五輪の年には外国人参加者が初めて5万人を超えました[3]。
  • 数字を継続して公表している:参加者数や参加者調査の結果を毎年公表しており、取り組みの広がりを外から確認できます[1][2][3]。

文化財や歴史的建造物を宿泊に生かした海外の例はスペインのパラドールとポルトガルのポザーダで、日本の例は篠山城下町ホテルNIPPONIAで紹介しています。

Our Proposal芸苑道からの提案:「静けさ」と「作法」を、滞在の価値に

ここからは、芸苑道が宿泊施設の皆さまにお伝えしたい内容です。

1.静かに過ごす時間を、体験として

テンプルステイの参加者の多くは仏教徒ではなく、休息や文化体験を求めて訪れています。日本の宿泊施設でも、早朝や夜の静かな時間に、箏や尺八などの演奏をお聴きいただく形は、「静けさを味わう体験」としてお客様にお届けできると私たちは考えています。

2.作法や由来を、やさしく添える

礼仏や発盂供養のように、作法そのものが体験の中心になる例もあります。日本の芸能にも、楽器の扱いや礼の作法があります。演奏の前に短くご紹介することで、鑑賞の時間がより味わい深いものになります。

3.過ごし方を選べる形に

短い鑑賞、解説つきの鑑賞、体験を含む時間など、お客様が目的に合わせて選べる形をご用意する方法があります。演目の選定・空間の設え・進行の設計まで、講師1名あたり¥88,000〜を目安にご相談を承っております。

Ask Us貴施設に置き換えると

ここまでは、公開されている資料にもとづく事実の整理です。実際に何をどのように組み立てるかは、貴施設の規模・立地・客層・繁閑の形によって変わります。芸苑道では、次のような点を伺ったうえで、貴施設に合う形をご提案しております。

  • 問静かに過ごす時間そのものを、体験として商品にできるか鑑賞と静けさを組み合わせた時間の設計を、貴施設の空間に合わせてご提案いたします。
  • 問宗教や文化の背景を、押しつけずにお伝えするには由来をやわらかく紹介する解説の長さと言葉選びをお伝えいたします。
  • 問早朝や夜の時間帯を、滞在の価値に変えられるか朝の演奏や夜の鑑賞など、時間帯に合わせた催しのご相談を承っております。

ご状況を伺ったうえで、実施できる形かどうかを率直にお伝えいたします。芸苑道へご相談はこちら →

FAQよくある質問

テンプルステイの参加者は何人ですか?

2025年は全国158寺で34万9,219人(うち外国人5万5,515人)で、過去最多だったと報じられています。

テンプルステイはいつ始まりましたか?

2002年のサッカーワールドカップ(日韓共催)に合わせて、33寺で始まったと報じられています。

参加者は仏教徒が多いのですか?

参加者調査では、仏教徒は全体の33.7%、外国人参加者では9.9%でした。宗教をもたない人が全体の52.5%を占めています。

Sources & References出典・参考文献

  1. The Korea Herald "[Graphic News] Templestay sees record high participation last year" 2026年2月25日 https://www.koreaherald.com/article/10681554
  2. The Korea Times "Only 1 in 3 'temple stay' participants is Buddhist: survey" 2026年2月19日 https://www.koreatimes.co.kr/southkorea/20260219/only-1-in-3-temple-stay-participants-is-buddhist-survey
  3. ヘラルド経済(헤럴드경제)2026年1月18日(韓国仏教文化事業団の集計による2025年の参加者数) https://biz.heraldcorp.com/article/10657707
  4. 仏教新聞(불교신문)2026年7月20日(テンプルステイの年別参加者数) http://www.ibulgyo.com/news/articleView.html?idxno=440323
  5. 韓国仏教文化事業団「テンプルステイ」公式サイト https://templestay.com/

本記事は、公的機関・国際機関・学術論文などの公開情報をもとに作成しています(確認日:2026年10月8日)。数値や制度は改定されることがあるため、最新の情報は各出典の公式発表をご確認ください。

WRITTEN BY

細川 明日香

株式会社芸苑道 代表取締役。箏・三味線奏者。東京藝術大学 修士課程修了、日本当道会 師範。伝統芸能の実演家として、訪日のお客様に向けた文化体験を企画しております。著者プロフィール 個人サイト