The Ranking2026年版のランキングは?——日本が5.27で首位
旅行・観光開発指数(TTDI)は、旅行・観光産業の持続的で強靱な発展を支える要因と政策を測る指標です。2007年から2019年まで隔年で公表された「旅行・観光競争力指数(TTCI)」を前身とし、2022年に現在の形に改められました[1]。2026年版は110の国・地域を対象とし、チューリッヒ保険グループとの協力で作成されています[1]。
上位10か国のうち9か国が先進国で、中国が唯一の例外です。欧州の国が10か国中6か国を占めています。
出典:World Economic Forum, Travel & Tourism Development Index 2026 (Figure 7) をもとに作成
日本は2024年版の3位から2つ順位を上げました[1]。2024年版の評価については旅行・観光開発指数2024で日本は3位で紹介しています。また、110の国・地域のうち101(92%)が2024年からスコアを伸ばしています[1]。
Why Japan Roseなぜ日本は1位になったのか?
報告書は日本を事例として取り上げ、次のように説明しています[1]。
- 日本の強みは、もともと交通の接続性と、豊かな文化資源・非レジャー資源(ビジネス・教育目的の旅行などを支える資源)にありました。
- 2024年以降の順位上昇を支えたのは、「需要の持続可能性(T&T Demand Sustainability)」と「旅行・観光への開放性(Openness to T&T)」の伸びで、それぞれ世界で2番目、4番目に大きな改善でした。
- 訪日客に占める中国・韓国・台湾・香港の割合は2019年の70%から2025年に65%へ下がり、米国・欧州・オーストラリア・中東の割合は14%から18%へ上がりました。
- 2025年10月には、地方部の外国人延べ宿泊者数が前年同月比14.1%増となった一方、三大都市圏は0.8%減でした。
報告書は、日本の取組を「多様化は成長だけでなく、強靱さ(レジリエンス)のためでもある」ことを示す例として位置づけています[1]。柱(ピラー)別では、日本は「文化資源」と「非レジャー資源」の2つで首位でした[1]。
Culture Worldwide「文化資源」は世界で最も伸びた柱
2026年版で最も改善した柱は「文化資源」で、平均スコアは2024年版から9.6%上昇し、95%を超える国・地域でスコアが上がりました[1]。報告書は次の点を挙げています[1]。
- ユネスコ世界遺産の文化遺産は、2019年の869件から2026年に991件へ増えました。
- それ以上に伸びたのが無形文化遺産で、2019年の549件から2026年には157か国の849件になりました。祭り、芸能、工芸、食文化といった「生きた伝統」を対象とするものです。
- 美食、遺産、博物館、祭り、地域の伝統、舞台芸術などに関するオンライン検索の量(文化・娯楽観光のデジタル需要)は、2024年から2026年に約15%増えました。
ただし報告書は、この柱が測っているのは「文化資源がどれだけ発信・整備されているか」であり、文化遺産そのものの多さではない面がある、と注記しています[1]。また、旅行・観光が生む経済的・社会的な価値は2024年から2026年にかけて弱まっており、混雑や訪問の集中による負荷はコロナ禍前を上回る水準にあるとして、成長の「管理」が重要だと指摘しています[1]。
Our Proposal芸苑道からの提案:評価に見合う「本物」を、静かに
ここからは、芸苑道が宿泊施設の皆さまにお伝えしたい内容です。
1.評価の中身を、お客様への説明に
日本が首位となった「文化資源」の柱には、芸能を含む無形文化遺産や、舞台芸術への関心が含まれています。海外のお客様にとって、伝統芸能は「日本が世界から評価されている理由」を実際に体験できる機会の一つです。
2.都市から地方へ、滞在を広げる文化体験
報告書が評価した地方への分散は、地方の宿泊施設にとって追い風ともいえます。その土地に伝わる芸能や、土地の物語にちなんだ演目を館内でご用意することで、「この地域に泊まる理由」をお客様にお伝えできます。
3.混雑を避けた、少人数の鑑賞
報告書は、訪問の集中による負荷も指摘しています。芸苑道では、貴施設のお客様だけに向けた少人数の鑑賞会を、演目の選定・空間の設え・進行の設計まで含めてご提案いたします(講師1名あたり¥88,000〜が目安です)。
Ask Us貴施設に置き換えると
ここまでは、公開されている資料にもとづく事実の整理です。実際に何をどのように組み立てるかは、貴施設の規模・立地・客層・繁閑の形によって変わります。芸苑道では、次のような点を伺ったうえで、貴施設に合う形をご提案しております。
- 問世界的な評価を、貴施設のご案内にどう生かせるか評価の中身に沿って、お客様にお伝えしやすい文化体験の構成をご提案いたします。
- 問地方への分散の流れを、貴施設の集客につなげるには地域の芸能や物語を軸にした滞在の組み立てについて、ご相談を承っております。
- 問文化資源の評価と、実際の体験の質をどう結びつけるか実演家の視点から、本物の芸能を無理なくお届けする形をお伝えいたします。
ご状況を伺ったうえで、実施できる形かどうかを率直にお伝えいたします。芸苑道へご相談はこちら →
Glossaryこの記事に出てくる用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 無形文化遺産むけいぶんかいさん | 芸能、社会的慣習、儀式や祭礼、伝統工芸技術など、形のない文化を保護するためのユネスコの枠組み。「無形文化遺産の保護に関する条約」は2003年に採択され、2006年に発効しました。 |
FAQよくある質問
旅行・観光開発指数2026で日本は何位ですか?
110の国・地域のうち1位で、スコアは5.27(7点満点)です。2024年版の3位から2つ順位を上げました。
日本はどの分野で評価されましたか?
柱別では「文化資源」と「非レジャー資源」で首位でした。2024年以降は、需要の持続可能性と旅行・観光への開放性の改善が順位上昇を支えたとされています。
2位以下はどこですか?
2位米国(5.23)、3位スペイン(5.22)、4位オーストラリア(5.18)、5位フランス(5.17)の順です。
Sources & References出典・参考文献
- World Economic Forum, Travel & Tourism Development Index 2026 (Insight Report), September 2026 https://reports.weforum.org/docs/WEF_Travel_and_Tourism_Development_Index_2026.pdf
- World Economic Forum, Travel & Tourism Development Index 2026(公表ページ) https://www.weforum.org/publications/travel-tourism-development-index-2026/digest/
本記事は、公的機関・国際機関・学術論文などの公開情報をもとに作成しています(確認日:2026年10月2日)。数値や制度は改定されることがあるため、最新の情報は各出典の公式発表をご確認ください。
