Overviewどんな事業?災害時の訪日外国人旅行者への対応を支援
観光庁の資料は、災害の激甚化・頻発化や訪日外国人旅行者の増加にともない、旅行中に災害に遭うケースや医療機関を受診するケースの増加が見込まれるとしています。そのうえで、地方への誘客を進めるため、訪日外国人旅行者が日本各地を安全・安心に訪れることができる環境を整えるとしています[2]。
事業は4つの補助メニューで構成されています[2]。
| メニュー | 主な内容 | 補助率 |
|---|---|---|
| 災害時の観光施設等における避難所機能の強化 | 非常用電源、災害用ドローン、熱中症対策設備など | 2分の1以内 |
| 観光客の安全・安心に資する観光施設等における多言語対応機能の強化 | 多言語の情報発信の環境整備など。宿泊事業・交通事業の施設も対象 | 2分の1以内 |
| 訪日外国人患者受入機能の強化 | 医療機関のキャッシュレス決済、多言語化など | 2分の1以内 |
| 災害時等における観光危機管理の強化 | 地方公共団体の観光危機管理計画の策定、訓練など | 2分の1以内(条件により3分の2以内、上限500万円) |
本記事は公開資料にもとづく制度の紹介で、法的な助言ではありません。申請の可否や対象経費は、最新の応募要領と各地方運輸局でご確認ください。
For Accommodation宿泊施設は使える?多言語対応のメニューは対象
避難所機能の強化のメニューでは、補助対象施設として神社・寺院、城郭、庭園、博物館、外国人観光案内所、道の駅などが挙げられています。一方、多言語対応機能の強化のメニューについては、資料に「本メニューに限っては宿泊事業及び交通事業に係る施設の整備も補助対象とする」と記されています[2]。
ここでいう宿泊事業は、旅館業法の許可を受けた事業者が行う事業を指します[3]。
あわせて、交付要領は多言語対応のメニューの要件として、次のような点を定めています[4]。
- 災害などの際の避難誘導について、関係する地方公共団体と調整が整っていること
- 災害が業務時間内に起きた場合は、安全を確認したうえで、可能な限り業務を続けること
- 訪日外国人旅行者の求めに応じて、災害の情報、公共交通機関の運行状況、宿泊や避難に関する情報などを案内すること
- 翻訳用タブレットなどの活用も含め、英語その他の外国語で対応できること
民間事業者が申請する場合は、施設が所在する地方公共団体からの意見書の提出が必要です[3]。
Eligible Costs何に使える?サイネージ、翻訳機器、案内放送、研修
多言語案内機能の整備
- 災害時の情報を多言語で発信するデジタルサイネージ(コンテンツ作成を含む)
- 既存のサイネージに緊急地震速報などを多言語で表示するための受信機器
- スタッフが使う多言語案内・翻訳用のタブレット端末、翻訳システム機器
- 避難所などを案内する多言語の案内標識、避難所マップなどの掲示物・配布物
- 災害時の情報を発信する多言語のホームページ(スマートフォン対応が必須)
- 案内放送の多言語化、クマ対策の多言語の注意喚起
Wi-Fi、拡声器、AED
- 上記の設備を使うための無料公衆無線LAN(共通シンボルマーク「Japan. Free Wi-Fi」の登録・掲出と、一定の本人認証が条件)
- 複数の言語で避難情報を伝える多言語対応の拡声器
- 多言語で救命措置を案内できるAED
スタッフ研修
多言語対応研修、視察研修、災害対応訓練研修に要する経費も対象です。
運営費や単なる買い替え
- 土地の取得・賃借
- 機能の向上を伴わない修理や買い替え
- 消耗品、保険料、通信費などのランニングコスト、レンタル・リース
- 人件費など、事業実施後の維持・運営の費用
以上は交付要領の要約です。多言語の案内表示は英語の併記を基本とし、翻訳には校正を行うこととされています[4]。
How to Applyいつまでに、どう申請する?毎月末締切、2027年1月29日まで
公募期間は2026年2月2日に始まり、当初の2026年9月25日から2027年1月29日(金)17時必着まで延長されました(観光庁の公募ページ、2026年9月11日更新)[1]。
- 事前の連絡:提出先の地方運輸局(沖縄は沖縄総合事務局)にまず連絡します。
- 事業計画書の提出:指定の様式に、2社以上の見積書、施設の写真や位置図などを添えて提出します。毎月末が締切日です。
- 審査結果の通知:原則として、応募した月の翌月末をめどに通知されます。
- 交付申請・交付決定:交付決定の後に契約・発注した経費だけが対象です。
- 完了実績報告・支払い:事業完了後に実績を報告し、補助金額の確定を経て支払われます。
同じ事業計画で国の他の補助金を受ける場合は対象外です。観光危機管理計画を策定した地域などの事業は、優先的に採択されます[2]。
Our Proposal芸苑道からの提案:安心の土台の上に、文化のひとときを
ここからは、芸苑道が宿泊施設の皆さまにお伝えしたい内容です。
1.安心してお過ごしいただけることが、体験の前提
海外のお客様にとって、言葉の通じにくい土地での災害は大きな不安です。多言語での案内が整っていることは、館内の催しを心からお楽しみいただくための前提でもあると考えられます。芸苑道は防災の専門家ではないため、制度のご利用については観光庁や地方運輸局にご相談ください。
2.整えた多言語の設備を、日常のご案内にも
多言語のサイネージやホームページは、補助の目的である災害時の情報発信が前提です。そのうえで、平常時に館内の催しをご案内する場面でも、多言語でお伝えする工夫が活きると考えられます。演奏会の英語の解説文などは、芸苑道でもご用意いたします。
3.催しの進行にも、安全への配慮を
芸苑道の演奏会では、会場の広さや動線をうかがったうえで、お客様の人数や配置をご提案いたします(講師1名あたり¥88,000〜)。現地の条件によっては実施が難しい場合もございますので、率直にお伝えいたします。
Ask Us貴施設に置き換えると
ここまでは、公開されている資料にもとづく事実の整理です。実際に何をどのように組み立てるかは、貴施設の規模・立地・客層・繁閑の形によって変わります。芸苑道では、次のような点を伺ったうえで、貴施設に合う形をご提案しております。
- 問災害時に、海外のお客様へどう情報をお伝えするか芸苑道は防災の専門家ではありませんが、海外のお客様をお迎えする催しの進行面から、気づいた点をお伝えいたします。
- 問多言語の案内を整えたあと、館内でどんな催しができるか多言語での解説を交えた演奏会の構成をご提案いたします。
- 問海外のお客様が安心して楽しめる催しの進め方会場の動線や案内の仕方も含め、現地の条件をうかがってご相談を承っております。
ご状況を伺ったうえで、実施できる形かどうかを率直にお伝えいたします。芸苑道へご相談はこちら →
FAQよくある質問
この補助金は、ホテルや旅館も使えますか?
4つのメニューのうち「観光客の安全・安心に資する観光施設等における多言語対応機能の強化」は、宿泊事業(旅館業法の許可を受けた事業者の事業)の施設の整備も補助対象とされています。ほかのメニューの対象施設とは異なるため、応募要領でご確認ください。
補助率と締切はどうなっていますか?
多言語対応のメニューの補助率は補助対象経費の2分の1以内です。公募は2027年1月29日(金)17時必着までで、毎月末が締切日です。予算がなくなり次第、予告なく終了するとされています。
どんな経費が対象になりますか?
災害時の情報を多言語で伝えるデジタルサイネージ、翻訳用タブレット、案内標識、避難所マップ、ホームページ、案内放送、無料Wi-Fi、多言語対応の拡声器やAED、スタッフ研修などです。ランニングコストやリース、人件費は対象外です。
Sources & References出典・参考文献
- 観光庁「(公募期間を延長しました)令和7年度補正予算事業『地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業』の公募を開始します」2026年9月11日更新 https://www.mlit.go.jp/kankocho/kobo08_00055.html
- 観光庁「地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業 事業概要及び申請スキーム」 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001979487.pdf
- 観光庁「観光客の安全・安心に資する観光施設等における多言語対応強化【応募要領】」令和8年9月 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001979489.pdf
- 観光庁「地域における受入環境整備促進事業補助金交付要領」(地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業の抜粋版) https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001980367.pdf
本記事は、公的機関・国際機関・学術論文などの公開情報をもとに作成しています(確認日:2026年10月18日)。数値や制度は改定されることがあるため、最新の情報は各出典の公式発表をご確認ください。本記事は公開資料にもとづく制度の紹介で、法的な助言ではありません。補助の対象・要件は、最新の応募要領と各地方運輸局でご確認ください。
