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第5次観光立国推進基本計画とは?
2030年目標と文化観光に関わる施策

公開 更新 文・細川明日香(株式会社芸苑道 代表)読了 約7分
第5次観光立国推進基本計画とは?2030年目標と文化観光に関わる施策
ANSWER

第5次観光立国推進基本計画は、2026年3月27日に閣議決定された、2026〜2030年度の国の観光政策の計画です。2030年に訪日外国人旅行者数6,000万人・旅行消費額15兆円などを目標とし、「インバウンドの戦略的な誘客と住民生活の質の確保との両立」「国内交流・アウトバウンド拡大」「観光地・観光産業の強靱化」の3つを柱にしています。

Overview観光立国推進基本計画とは

観光立国推進基本計画は、観光立国推進基本法にもとづいて政府が定める計画です。第5次計画の概要では、訪日外国人旅行消費額9.5兆円の経済波及効果は約19兆円に及ぶとし、観光を「戦略産業」と位置づけています[1]。

あわせて、混雑やマナー違反などへの対応、特定地域への集中の是正といったオーバーツーリズムの未然防止・抑制、人材不足への対応、観光の高付加価値化などを課題として挙げています[1]。

2030 Targetsインバウンドに関わる主な目標と2025年の実績

2030年目標に対する2025年実績の割合(当メディア算出)
  • 消費額単価22.9万円/25万円
  • 旅行者数4,268万人/6,000万人
  • リピーター数2,768万人/4,000万人
  • 旅行消費額9.5兆円/15兆円
  • 地方部の延べ宿泊者数6,056万人泊/1.3億人泊
  • 両立に取り組む地域数47地域/100地域

割合は「2025年実績÷2030年目標」で当メディアが計算したもので、政府の公表値ではありません。

出典:観光庁「観光立国推進基本計画(第5次)(概要)」の目標値・実績値をもとに作成

「両立に取り組む地域数」は、観光客の戦略的な誘客と住民生活の質の確保との両立に取り組む地域数です。第5次計画では、このほかにも国内交流や観光産業に関する目標が定められています[1]。

Three Pillars3つの施策の柱

柱 1

インバウンドの戦略的な誘客と住民生活の質の確保との両立

  • 混雑・マナー違反などの個別課題への対応(民泊関係を含む)
  • 地方誘客を進めるための広域的な体制の整備
  • 地方誘客と消費拡大に効果の高い観光コンテンツの充実
  • 地方部への交通ネットワークの機能強化

出典:観光庁「観光立国推進基本計画(第5次)(概要)」より要約

Culture-related Measures文化・伝統に関わる主な施策

概要資料の「主な施策一覧」には、文化資源に関わる項目として次のようなものが並んでいます[1]。

  • 文化財等の早朝・夜間体験等の促進(過度の混雑対策の一つとして)
  • 歴史的資源を活用した観光まちづくりの推進
  • 文化資源の観光活用(博物館・美術館等の文化施設の充実等)
  • 高付加価値旅行者の受入環境整備
  • 持続的なローカルガイドの確保、通訳ガイドの質の向上
事業者にとってのポイント

混雑を避ける時間帯の体験や、地域の文化資源を深く伝える体験は、計画の方向性と重なります。個別の補助金や事業の募集は年度ごとに変わるため、観光庁・文化庁の公募情報をご確認ください。

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Ask Us貴施設に置き換えると

ここまでは、公開されている資料にもとづく事実の整理です。実際に何をどのように組み立てるかは、貴施設の規模・立地・客層・繁閑の形によって変わります。芸苑道では、次のような点を伺ったうえで、貴施設に合う形をご提案しております。

  • 問高付加価値化の計画に、文化体験をどう位置づけるか計画書に書ける形で、内容と体制を整理できます。
  • 問混雑を避ける時間帯の活用方法早朝・夜間のプログラムの組み方をご相談いただけます。
  • 問地域の関係者とどう組むか実演家・文化施設との橋渡しができます。

ご状況を伺ったうえで、実施できる形かどうかを率直にお伝えいたします。芸苑道へご相談はこちら →

Glossaryこの記事に出てくる用語

用語意味
高付加価値旅行者こうふかかちりょこうしゃ日本政府観光局(JNTO)の調査では、訪日旅行1回あたりの着地消費額(国際航空運賃を除く現地での消費額)が1人100万円以上の旅行を「高付加価値旅行」としています。
オーバーツーリズムおーばーつーりずむ国連世界観光機関(UNWTO、現UN Tourism)は、観光が目的地やその一部に与える影響で、住民が感じる生活の質や、旅行者の体験の質を過度に悪化させる状態と定義しています(2018年の報告書)。
それぞれの語をクリックすると、出典つきの詳しい解説をご覧いただけます。

FAQよくある質問

第5次観光立国推進基本計画はいつ決まりましたか?

2026年3月27日に閣議決定されました。計画期間は2026〜2030年度の5年間です。

2030年の訪日外国人旅行者数の目標は?

6,000万人です。あわせて訪日外国人旅行消費額15兆円、消費額単価25万円などが目標になっています。

第4次計画から何が変わりましたか?

消費額単価の目標が20万円から25万円に見直されたほか、観光客の誘客と住民生活の質の確保の両立に取り組む地域数(100地域)などが新たに設けられました。

Sources & References出典・参考文献

  1. 観光庁「観光立国推進基本計画(第5次)(概要)」令和8年3月27日閣議決定 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002019550.pdf
  2. 観光庁「観光立国推進基本計画」(計画本文・概要の掲載ページ) https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/kihonkeikaku.html

本記事は、公的機関・国際機関・学術論文などの公開情報をもとに作成しています(確認日:2026年9月17日)。数値や制度は改定されることがあるため、最新の情報は各出典の公式発表をご確認ください。本記事は制度の概要を紹介するもので、法的な助言ではありません。

WRITTEN BY

細川 明日香

株式会社芸苑道 代表取締役。箏・三味線奏者。東京藝術大学 修士課程修了、日本当道会 師範。伝統芸能の実演家として、訪日のお客様に向けた文化体験を企画しております。著者プロフィール 個人サイト