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政策・制度ニュースInternational Year of Sustainable and Resilient Tourism 2027

2027年は国連の
観光国際年

公開 更新 文・細川明日香(株式会社芸苑道 代表)読了 約6分
2027年は国連「持続可能で強靱な観光国際年」——日本はナショナル・コミッティーを設置、2026年12月をめどに事業登録とロゴ使用の受付へ
ANSWER

国連総会は2024年2月の決議で、2027年を「持続可能で強靱な観光国際年」と定めました。観光庁は2026年9月25日、国内の活動の拠点となる「ナショナル・コミッティー」を設置し、同日に国連観光機関(UN Tourism)と連携したセミナーを開いています。2026年は準備期間、2027年は実施期間、2028年はレガシー期間とされ、観光庁は2026年12月をめどに、国際年の目的に合う事業の登録とロゴ使用の申請受付を始める予定です。

このテーマの全体像はこちら第5次観光立国推進基本計画とは?2030年目標と文化観光に関わる施策

What It Is「持続可能で強靱な観光国際年」とは?

国連総会は2024年2月26日、2027年を「持続可能で強靱な観光国際年(International Year of Sustainable and Resilient Tourism)」とする決議を採択しました。決議は、国連観光機関(UN Tourism)に対し、各国政府や国連機関、国際・地域機関などと協力して国際年の準備と実施を進めるよう要請しています[4]。

観光庁は、国際年の背景として、観光が経済成長だけでなく、地域社会の活性化、文化・自然資源の保全、社会的包摂、環境保全、レジリエンス(回復力)の強化に大きな役割を果たすことを挙げています[2]。そのうえで、国際年の目的を次の四つに整理しています[2]。

  • 持続可能な観光や観光レジリエンスに関する政策の実施を支援する
  • 観光に対する世界的な認識を高める
  • 2030年以降の観光の役割について対話を促す
  • 観光セクター全体の能力を強化する

Timeline2026年から2028年まで、何が行われるのか

国際年は、2026年の準備期間、2027年の実施期間、2028年のレガシー期間の3段階で進められます。タブを切り替えると、それぞれの内容をご覧いただけます[2]。

  • 各国で、国際年の活動の拠点となる「ナショナル・コミッティー」を設置する[2][3]。
  • 2026年11月27日にオープニングセレモニーが予定されている[2]。
  • 日本では、観光庁のウェブサイトに特設サイトを設け、国際年の目的に合う事業の登録とロゴ使用の申請受付を2026年12月をめどに始める予定[2]。

National Committee日本の「ナショナル・コミッティー」は何をするのか

UN Tourismは、各加盟国に対し、国際年の活動を支える中核的な場として「ナショナル・コミッティー」を2026年に設けることを勧めています。日本は2026年9月25日にこれを設置し、同日に第1回の会議を開きました[1][3]。

設置要綱によると、構成は観光庁とUN Tourismの賛助加盟員で、座長は観光庁国際観光部が務めます。主な活動は次の7項目です[3]。

  1. 国際年に関する国内での活動の準備・実施・フォローアップ
  2. 国際年の目標に沿った行動計画の策定
  3. 持続可能で強靱な観光に関する認識の向上
  4. 幅広い関係者の関与の促進と連携の強化
  5. UN Tourismの指針等に基づく、国内で行われる活動の承認と登録
  6. 観光セクターを支える能力構築と知見の共有
  7. UN Tourismへの情報提供

出典:観光庁「『持続可能で強靭な観光国際年 2027』におけるナショナル・コミッティー 設置要綱」[3]。本記事は制度の紹介であり、事業の登録やロゴ使用の可否を判断するものではありません。

Rural Tourism地域の文化と、どう関わるのか

9月25日のセミナー(ツーリズムEXPOジャパン2026、東京ビッグサイト)の第2部では、農漁村地域での持続可能な観光の取り組みとして、UN Tourismの「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」をテーマにパネルディスカッションが行われました。済州観光公社、国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所、京都美山観光まちづくり協会の担当者が登壇しています[1]。

UN Tourismの資料によると、ベスト・ツーリズム・ビレッジは、地域に根ざした価値観や産品、暮らし方を守り育てながら、経済・社会・環境の面で持続可能性に取り組む農漁村を表彰する制度です。評価の項目には「文化・自然資源」や「文化資源の振興と保全」が含まれています。日本からは2025年10月末時点で12地域が選ばれています[5]。

2025年に選ばれた地域については国連観光機関「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に日本から12地域で、日本の観光政策全体はカテゴリの完全ガイドで紹介しています。

Our Proposal芸苑道からの提案:受け継がれてきた芸能を、続く形で

ここからは、芸苑道が宿泊施設の皆さまにお伝えしたい内容です。

1.「文化を守る観光」の具体的な形として

国際年の目的には、文化資源の保全や地域社会の活性化が含まれています。地域の芸能を館内でご紹介し、実演家に正当な対価をお支払いする催しは、その考え方を形にしたものの一つだと私たちは考えています。

2.一度きりではなく、季節ごとに

持続可能な取り組みは、続けられる規模であることが大切です。季節ごとに演目を替える、年に数回の定例の催しにするなど、貴施設の運営に無理のない形をご一緒に考えます。

3.お客様にお伝えする言葉を整える

なぜこの演目なのか、この土地とどう関わるのかを、短い解説として添えることで、お客様にとって意味のある時間になります。演目の選定・空間の設え・進行の設計まで、講師1名あたり¥88,000〜を目安にご相談を承っております。

Ask Us貴施設に置き換えると

ここまでは、公開されている資料にもとづく事実の整理です。実際に何をどのように組み立てるかは、貴施設の規模・立地・客層・繁閑の形によって変わります。芸苑道では、次のような点を伺ったうえで、貴施設に合う形をご提案しております。

  • 問国際年の機会に、貴施設の文化の取り組みをどう位置づけるか地域の芸能を大切にする取り組みとして、催しの組み立てをご提案いたします。
  • 問農山漁村の宿で、土地の文化をどうお客様にお伝えするかその土地にゆかりのある演目と、短い解説を添えた形のご相談を承っております。
  • 問一度きりの催しではなく、続けられる形にできるか季節ごとに演目を替えるなど、無理なく続けられる進め方をお伝えいたします。

ご状況を伺ったうえで、実施できる形かどうかを率直にお伝えいたします。芸苑道へご相談はこちら →

FAQよくある質問

「持続可能で強靱な観光国際年」はいつですか?

2027年です。国連総会が2024年2月26日の決議で定めました。2026年が準備期間、2028年がレガシー期間とされています。

日本ではどのような準備が進んでいますか?

観光庁が2026年9月25日にナショナル・コミッティーを設置しました。2026年12月をめどに、国際年の目的に合う事業の登録とロゴ使用の申請受付を始める予定です。

ナショナル・コミッティーは誰で構成されていますか?

観光庁とUN Tourismの賛助加盟員で構成され、座長は観光庁国際観光部です。

Sources & References出典・参考文献

  1. 観光庁「『持続可能で強靭な観光国際年2027』セミナーを開催 ~国際年に向けた取組が始動!~」2026年9月30日 https://www.mlit.go.jp/kankocho/topics07_00030.html
  2. 観光庁 国際観光部国際関係室「『持続可能で強靭な観光国際年2027』に向けて」(セミナー資料)2026年9月25日 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002024752.pdf
  3. 観光庁「『持続可能で強靭な観光国際年 2027』におけるナショナル・コミッティー 設置要綱」 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002024802.pdf
  4. FAO Mountain Partnership "UN General Assembly declares 2027 the International Year of Sustainable and Resilient Tourism" https://www.fao.org/mountain-partnership/news/newsroom/news-detail/UN-General-Assembly-declares-2027-the-International-Year-of-Sustainable-and-Resilient-Tourism/en
  5. UN Tourism アジア太平洋地域事務所「Best Tourism Villages(ベスト・ツーリズム・ビレッジ)の概要」(セミナー資料)2026年9月25日 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002024757.pdf

本記事は、公的機関・国際機関・学術論文などの公開情報をもとに作成しています(確認日:2026年10月9日)。数値や制度は改定されることがあるため、最新の情報は各出典の公式発表をご確認ください。本記事は制度の紹介であり、法的な助言や、事業の登録・ロゴ使用の可否を判断するものではありません。

WRITTEN BY

細川 明日香

株式会社芸苑道 代表取締役。箏・三味線奏者。東京藝術大学 修士課程修了、日本当道会 師範。伝統芸能の実演家として、訪日のお客様に向けた文化体験を企画しております。著者プロフィール 個人サイト