GEIENDO芸苑道
インバウンド市場動向Stage and Music Appreciation among Visitors to Japan, Q2 2026

舞台・音楽鑑賞、
今回5.5%、次回は11.9%

公開 更新 文・細川明日香(株式会社芸苑道 代表)読了 約7分
訪日客で舞台・音楽を鑑賞した人は5.5%、「次回したい」は11.9%——観光庁インバウンド消費動向調査 2026年4〜6月期(2次速報)の「したこと」「次回したいこと」を読む
ANSWER

観光庁が2026年9月30日に公表したインバウンド消費動向調査(2026年4〜6月期・2次速報)によると、今回の訪日旅行で「舞台・音楽鑑賞」をした人は5.5%でした。一方、次回の訪日で「したいこと」に挙げた人は11.9%と、今回の実施率の約2倍です。鑑賞した人のうち96.5%が「満足」と回答しています。「日本の歴史・伝統文化体験」は33.0%が実施し、欧米豪の多くの国で7割前後に達しました。

このテーマの全体像はこちら訪日インバウンド市場の全体像【2025年確報データで読む】

About the Surveyインバウンド消費動向調査とは?

インバウンド消費動向調査は、観光庁が訪日外国人の旅行中の支出や行動を四半期ごとに調べる統計です。空港・港で出国する外国人に聞き取りを行い、国籍・地域別の結果を公表しています[1]。

項目内容
今回の対象2026年4〜6月期 2次速報(公表日:2026年9月30日)[1]
同期の主な結果訪日外国人旅行消費額 2兆5,125億円(前年同期比0.3%増)、一般客1人当たり旅行支出 24万5千円(同3.4%増)[1]
本記事で使う表集計表「参考3 国籍・地域(24区分)別 訪日旅行に関する意識(満足度など)」と「表2-1 費目別購入率および購入者単価」(一般客・全目的)[2]
「今回したこと」の回答者全国籍・地域で7,207人(複数回答)[2]

数値は母集団に合わせた重み付け(ウェイトバック)後の選択率です。国・地域によっては回答数が少なく、ぶれが大きくなる点にご注意ください[2]。

By Marketどの国・地域の人が、舞台・音楽を観たのか

「舞台・音楽鑑賞」を今回したと答えた人の割合と、次回したいと答えた人の割合を、主な国・地域で比べました。ボタンで切り替えてご覧いただけます。多くの市場で、「次回したい」が「今回した」を上回っています[2]。

「舞台・音楽鑑賞」の選択率(2026年4〜6月期)
  • 全国籍・地域5.5%
  • 中国10.0%
  • オーストラリア9.1%
  • 米国7.6%
  • カナダ7.6%
  • 英国6.0%
  • フランス5.5%
  • 台湾5.2%
  • 韓国3.3%

全体は5.5%。中国(10.0%)とオーストラリア(9.1%)が比較的高く、韓国は3.3%でした。北欧は11.4%ですが、回答数が少ない点にご注意ください。

出典:観光庁「インバウンド消費動向調査 2026年4-6月期【2次速報】集計表」参考3(一般客・全目的)をもとに作成

  • 満足度は高い:「舞台・音楽鑑賞」をした人のうち96.5%、「日本の歴史・伝統文化体験」をした人のうち97.3%が満足したと答えています[2]。
  • 支出の面:費目別の「舞台・音楽鑑賞」の購入率は全体で3.4%、購入した人の1人当たり支出(購入者単価)は2万3,087円でした[2]。
  • 伝統文化体験は次回も3割:「日本の歴史・伝統文化体験」を次回したいと答えた人は全体で30.1%で、英国62.4%、米国56.8%などでした[2]。

Reading the Data「今回」と「次回」の差は、何を示しているのか

「次回したいこと」が「今回したこと」を大きく上回る項目は、関心はあっても今回の旅程では実現しなかった体験と読むことができます。観光庁の調査は理由までは尋ねていないため、断定はできませんが、次のような事情が考えられます。

  • 公演の日時が旅程と合わない:劇場の公演は日時が決まっており、短い滞在では予定に組み込みにくい面があります。
  • 情報や予約の手間:演目の内容や座席の選び方が分かりにくいと、関心があっても見送られることがあります。
  • 鑑賞の場所が限られる:大都市以外の宿泊地では、近くで公演に出会う機会そのものが少なくなります。

一方、実際に鑑賞した人の満足度は96.5%と高く、機会さえあれば満足につながりやすい体験であることがうかがえます[2]。国・地域別の1人当たり旅行支出は欧米豪の旅行者は何にお金を使う?、同じ期の消費額は2026年4〜6月期の訪日消費で紹介しています。

Our Proposal芸苑道からの提案:「次回」を、貴施設での「今回」に

ここからは、芸苑道が宿泊施設の皆さまにお伝えしたい内容です。

1.劇場へ行けなかったお客様のために

舞台・音楽鑑賞を「次回したい」と答えた人は、今回の実施率の約2倍でした。旅程の都合で劇場に足を運べなかったお客様にとって、お泊まりの館内で生の演奏に触れられることは、旅の心残りを埋める機会になりえます。芸苑道では、ロビーや宴会場、お庭など、貴施設の空間に合わせた演奏の形をご提案いたします。

2.市場ごとに、ご案内の仕方を変える

歴史・伝統文化体験の実施率は、欧米豪で7割前後、東アジアで1割台と大きく異なります。欧米豪のお客様には演目の背景を英語で丁寧に、東アジアのお客様には季節感や楽器の音色そのものを楽しんでいただく構成にするなど、同じ演奏でもご案内の仕方を変えることが考えられます。

3.短い時間でも「本物」を

鑑賞した人の満足度は96.5%と高い水準でした。長い公演でなくとも、実演家による生の演奏と短い解説があれば、旅の記憶に残る時間をおつくりいただけると私たちは考えています。演目の選定・空間の設え・進行の設計まで、講師1名あたり¥88,000〜を目安にご相談を承っております。

Ask Us貴施設に置き換えると

ここまでは、公開されている資料にもとづく事実の整理です。実際に何をどのように組み立てるかは、貴施設の規模・立地・客層・繁閑の形によって変わります。芸苑道では、次のような点を伺ったうえで、貴施設に合う形をご提案しております。

  • 問観劇の機会がなかったお客様に、館内で何をご用意できるか外出せずに楽しめる演奏の形を、貴施設の空間に合わせてご提案いたします。
  • 問欧米豪のお客様と東アジアのお客様で、ご案内を変えるべきか国・地域ごとの関心の違いを踏まえた演目と解説の組み立てをお伝えいたします。
  • 問「次回したい」を、次のご予約につなげるには季節ごとに演目を変える催しなど、再訪の理由になる形のご相談を承っております。

ご状況を伺ったうえで、実施できる形かどうかを率直にお伝えいたします。芸苑道へご相談はこちら →

FAQよくある質問

訪日客のうち、舞台・音楽鑑賞をした人はどのくらいですか?

観光庁のインバウンド消費動向調査(2026年4〜6月期・2次速報)では、全国籍・地域で5.5%でした。次回したいと答えた人は11.9%です。

舞台・音楽鑑賞をした人の満足度は?

鑑賞した人のうち96.5%が満足したと回答しています。日本の歴史・伝統文化体験をした人の満足度は97.3%でした。

伝統文化体験に関心が高いのはどの国・地域ですか?

今回の調査では、スペイン(81.8%)、フランス(80.1%)、英国(76.8%)など欧米豪で実施率が高く、韓国・台湾・中国は1割台でした。

Sources & References出典・参考文献

  1. 観光庁「インバウンド消費動向調査」最新の調査結果(2026年4〜6月期 2次速報、公表日:2026年9月30日) https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/gaikokujinshohidoko.html
  2. 観光庁「インバウンド消費動向調査 2026年4-6月期【2次速報】集計表」(参考3、表2-1) https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002025524.xlsx

本記事は、公的機関・国際機関・学術論文などの公開情報をもとに作成しています(確認日:2026年10月9日)。数値や制度は改定されることがあるため、最新の情報は各出典の公式発表をご確認ください。

WRITTEN BY

細川 明日香

株式会社芸苑道 代表取締役。箏・三味線奏者。東京藝術大学 修士課程修了、日本当道会 師範。伝統芸能の実演家として、訪日のお客様に向けた文化体験を企画しております。著者プロフィール 個人サイト