GEIENDO芸苑道
調査・研究レポートHow Repeat Visits Change Behaviour

何度目かで行き先が変わる
訪日回数と消費の関係

公開 更新 文・細川明日香(株式会社芸苑道 代表)読了 約6分
何度目かで行き先が変わる——訪日回数と消費・訪問地の関係【観光庁トピックス分析】
ANSWER

観光庁のトピックス分析では、訪日回数が増えるほど三大都市圏の訪問率が下がり、地方部の訪問率が上がることが示されています。韓国の例では、大阪府の訪問率が1回目47.1%から6回目以上で22.5%に下がる一方、福岡県は23.9%から35.3%に上がります。消費額も、市場によっては回数が多いほど高くなります。

このテーマの全体像はこちら観光の「本物らしさ」は誰が決める?真正性研究の3つの理論【MacCannell・Cohen・Wang】

Where They Go回数が増えると、行き先が変わる

韓国からの旅行者の訪問率(2023年・観光レジャー目的)
  • 1回目47.1%
  • 2〜5回目33.7%
  • 6回目以上22.5%

回数が増えるほど大阪府の訪問率は下がります。

出典:観光庁「インバウンド消費動向調査【トピックス分析】訪日回数と消費動向の関係について」

観光庁は、訪日回数が増えるほど訪問地が多様化し、三大都市圏では大阪府や京都府などの訪問率が下がる一方、地方部では福岡県や北海道などの訪問率が上がると分析しています[1]。

How They Spend回数によって、使い方も変わる

分析では、費目別の支出にも違いが見られます[1]。

  • 韓国は2023年に、すべての費目で「6回目以上」が「1回目」「2〜5回目」より高い。
  • 台湾・香港・中国は「買物代」「宿泊費」などで、「6回目以上」が高い。
  • タイ・シンガポールも「買物代」「宿泊費」などで同様の傾向。
  • オーストラリアは逆に、「6回目以上」の1人当たり旅行支出が「1回目」より低い。
  • 欧州(英・独・仏・伊・西)は「6回目以上」の支出が高く、特に「買物代」「宿泊費」で差が出る。

分析の対象は観光・レジャー目的の旅行者で、データは2023年暦年確報値(一部2019年)です。

Our Proposal芸苑道からの提案:地方の宿に来るのは、何度も来ている人

ここからは、芸苑道が宿泊施設の皆さまにお伝えしたい内容です。

このデータが示しているのは、地方の施設に来るお客様ほど、日本に何度も来ている人が多いということです。彼らはすでに定番を見終えています。

1.「初めての日本」向けの説明は要らない

6回目以上のお客様に、日本文化の初歩から説明する必要はありません。むしろ、その土地に固有の話をどれだけ持っているかが問われます。

2.地域固有の演目が効く

全国どこでも聴ける曲ではなく、その地域に伝わる曲や、季節の行事と結びついた演目。リピーターほど、この違いに気づきます。

3.「次はこれを」と言える構成にする

今回はここまで、次回はこの先、という組み立てができると、再訪の理由が具体的になります。芸苑道では、複数回の訪問を前提にした構成もご相談いただけます。

Ask Us貴施設に置き換えると

ここまでは、公開されている資料にもとづく事実の整理です。実際に何をどのように組み立てるかは、貴施設の規模・立地・客層・繁閑の形によって変わります。芸苑道では、次のような点を伺ったうえで、貴施設に合う形をご提案しております。

  • 問リピーターが多い地域で何を出すか何度も来ている人向けの、深い内容をご提案いたします。
  • 問初回客と再訪客を見分けるには予約時の簡単な質問で分けられます。設計をご相談いただけます。
  • 問地方の施設が再訪を得るには季節替わりの体験で理由をつくれます。

ご状況を伺ったうえで、実施できる形かどうかを率直にお伝えいたします。芸苑道へご相談はこちら →

FAQよくある質問

訪日回数が増えると行き先はどう変わりますか?

観光庁の分析では、三大都市圏の訪問率が下がり、福岡県や北海道など地方部の訪問率が上がります。

消費額も変わりますか?

市場によります。韓国・台湾・香港・中国・タイ・シンガポール・欧州では回数が多いほど高い傾向が見られる一方、オーストラリアでは逆の傾向が示されています。

この分析はいつのデータですか?

2023年暦年確報値(一部2019年)にもとづく、観光・レジャー目的の旅行者の分析です。

Sources & References出典・参考文献

  1. 観光庁「インバウンド消費動向調査【トピックス分析】訪日外国人旅行者(観光・レジャー目的)の訪日回数と消費動向の関係について」 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002020032.pdf
  2. 観光庁「インバウンド消費動向調査」 https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/gaikokujinshohidoko.html

本記事は、公的機関・国際機関・学術論文などの公開情報をもとに作成しています(確認日:2026年9月29日)。数値や制度は改定されることがあるため、最新の情報は各出典の公式発表をご確認ください。

WRITTEN BY

細川 明日香

株式会社芸苑道 代表取締役。箏・三味線奏者。東京藝術大学 修士課程修了、日本当道会 師範。伝統芸能の実演家として、訪日のお客様に向けた文化体験を企画しております。著者プロフィール 個人サイト