GEIENDO芸苑道
調査・研究レポートThe 2026 White Paper

観光白書が示す
宿泊業の人材と生産性

公開 更新 文・細川明日香(株式会社芸苑道 代表)読了 約6分
令和8年版観光白書が示す宿泊業の課題——人手不足72.2%、生産性は全産業の7割
ANSWER

令和8年版観光白書は、宿泊業の人材確保と生産性の向上をテーマ章に据えました。アンケートでは宿泊施設の72.2%が人手不足の状況にあり、宿泊業の労働生産性は全産業の7割程度の水準です。一方で、週3日の固定休館日制を導入して売上を2/3に減らしながら利益率を15%高めた施設の事例も紹介されています。

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Key Figures宿泊業の現状

指標内容
人手不足宿泊施設の72.2%が「人手不足の状況にある」と回答(n=522)
労働生産性一人当たり付加価値額で見て、コロナ禍を除き全産業の7割程度の水準
賃金・休日宿泊業の賃金は全産業に比べて低く、年間休日日数も少ない傾向
雇用形態業務量の増減調整を必要とする割合が高く、非正規雇用の割合も高い
出典:観光庁「令和8年版観光白書について(概要版)」令和8年7月[1]

Case Examples白書が紹介した取組事例

愛知県蒲郡市 ホテル末広

週3日の固定休館日制

  • 財務データや曜日別稼働率を分析し、火〜木曜の週3日を固定休館日に
  • 客室の改装や食事メニューの見直しによる高付加価値化
  • 従業員のマルチタスク化と、手当を伴う人事評価制度の変更
成果
営業日の縮小で売上は2/3程度に減少したが、高付加価値化と業務効率化により利益率は15%増加。若手人材が安定的に入社し、休館日を設備改修や燃料費の削減にも活用。

出典:観光庁「令和8年版観光白書について(概要版)」より要約

Our Proposal芸苑道からの提案:人を増やさずに、滞在価値を上げる

ここからは、芸苑道が宿泊施設の皆さまにお伝えしたい内容です。

白書が示しているのは、人手を増やす前提では立ち行かないという現実です。蒲郡の事例が示すように、稼働日を減らしてでも1日あたりの価値を上げる方向に舵を切る施設が出てきています。

1.外部の担い手を使えば、常時の人員は増えない

文化体験の提供は、館の従業員がすべてを担う必要はありません。芸苑道では、演奏家の手配、楽器の運搬・設営、当日の進行までを引き受けています。館側の負担は、場所の確保とお客様への案内が中心です。

2.休館日・閑散日と組み合わせる

稼働を落とす日を決めたなら、その前後の営業日に価値を集めることができます。特別な体験を置く日をつくると、価格を落とさずに予約を集めやすくなります。

3.「働いてよし」との両立を考える

白書は「働いてよし」の観光産業を掲げています。現場に新しい負担を積み増す施策では続きません。外部の専門家が担える部分を切り分けることが、続けられる形につながると考えています。

Ask Us貴施設に置き換えると

ここまでは、公開されている資料にもとづく事実の整理です。実際に何をどのように組み立てるかは、貴施設の規模・立地・客層・繁閑の形によって変わります。芸苑道では、次のような点を伺ったうえで、貴施設に合う形をご提案しております。

  • 問人手をかけずに滞在価値を上げる方法は外部の演奏家を使う形なら、常時の人員を増やさずに実施できます。
  • 問休館日や閑散期をどう活用するか稼働を落とす日と、体験を置く日の組み合わせをご相談いただけます。
  • 問現場の負担をどこまで抑えられるか設営から進行まで芸苑道側で担える範囲をお伝えいたします。

ご状況を伺ったうえで、実施できる形かどうかを率直にお伝えいたします。芸苑道へご相談はこちら →

FAQよくある質問

令和8年版観光白書はいつ公表されましたか?

2026年7月に閣議決定・公表されました。宿泊業の人材確保と生産性の向上がテーマ章です。

宿泊業の人手不足はどの程度ですか?

白書のアンケート結果では、宿泊施設の72.2%が人手不足の状況にあると回答しています(n=522)。

生産性はどのくらいですか?

一人当たり付加価値額で見た労働生産性は、コロナ禍を除いて全産業の7割程度の水準です。

Sources & References出典・参考文献

  1. 観光庁「令和8年版観光白書について(概要版)」令和8年7月 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002011051.pdf
  2. 国土交通省「観光白書」 https://www.mlit.go.jp/statistics/file000008.html

本記事は、公的機関・国際機関・学術論文などの公開情報をもとに作成しています(確認日:2026年9月20日)。数値や制度は改定されることがあるため、最新の情報は各出典の公式発表をご確認ください。

WRITTEN BY

細川 明日香

株式会社芸苑道 代表取締役。箏・三味線奏者。東京藝術大学 修士課程修了、日本当道会 師範。伝統芸能の実演家として、訪日のお客様に向けた文化体験を企画しております。著者プロフィール 個人サイト