The Campaign「Japan. Unforgettable」とは?2026年4月に始まり、10月28日に本格展開
JNTOは2026年4月28日、訪日旅行の促進を目的とする新しいグローバルキャンペーン「Japan. Unforgettable」を始めました。このときは秋編と冬編の動画を先行して公開し、春編と夏編は秋に公開するとしていました[2]。
予定どおり、10月28日に春編・夏編・統合編・食編の動画が公開され、これにより様々な媒体を通じた訪日プロモーションが本格的に展開されることになりました[1]。動画はYouTube、Facebook、InstagramなどのSNS広告を含むWeb広告や、デジタル屋外広告で大規模に流されます[1][2]。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| キャンペーンメッセージ | Japan. Unforgettable |
| 開始 | 2026年4月28日(秋編・冬編) |
| 本格展開 | 2026年10月28日(春編・夏編・統合編・食編を公開) |
| 主なターゲット | 未訪日の訪日関心層 |
| 事前調査 | 英国、ドイツ、フランス、北欧、米国、オーストラリア、インド、中東、タイ、韓国の10市場 |
| 特設サイトの言語 | 英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、アラビア語、タイ語、韓国語の8言語(4月の開始時は6言語) |
出典:JNTO 報道発表(2026年4月28日、10月28日)
メッセージの「Japan. Unforgettable」には、日本各地の自然や文化、多彩な食との出会いが、訪れる人にとって「忘れがたい体験」となるように、という想いが込められています。シンプルで覚えやすく、季節や地域ごとの多様な魅力を一貫して伝えられることが採用の理由とされています[1]。英語版の特設サイトは japan.travel/en/gc/ で公開されています。
A New Target誰に向けたキャンペーン?「無関心層」から「関心はあるが、まだ訪れていない層」へ
JNTOは、2018年から2025年まで実施した前回のグローバルキャンペーン「Enjoy my Japan」で、欧米豪の「訪日無関心層」を主なターゲットとしていました。今回は、近年増えている「訪日したことがなく、今後の旅行先の候補として日本を捉えている層」に主なターゲットを移しています[1]。
英語の報道発表は、その理由を、欧米豪で旅行先としての日本の認知が大きく高まり、まだ訪れたことはないが将来の旅行先の候補に日本を挙げる人が増えていることが確認されたため、と説明しています。あわせて、これらの市場は1人当たりの旅行支出が高く、日本を訪れたことのない人の割合が大きいことも挙げています[2]。
関心はあるが、まだ訪れていない人へ
- 主なターゲット:未訪日の訪日関心層
- 伝えること:「いつ来ても楽しめる多様な日本の魅力」
- 動画:さまざまな市場の旅行者(友人同士、夫婦、家族など)が、季節や旅のスタイルに応じて自然・アクティビティ・文化・食を楽しむ姿
- 背景:アジアからの旅行者の割合は、コロナ前の83%から2025年には77%に
日本を旅行先として意識していない人へ
- 主なターゲット:欧州・北米・オーストラリアの「訪日無関心層」
- 伝えること:長距離を旅する人が海外に求めるものは、日本にすべてある
- 動画:旅行者の調査から抽出した7つの関心(食、伝統、自然、都市、くつろぎ、アート、アウトドア)
- 背景:当時の発表では、訪日客の約85%がアジア太平洋から、欧米からは11%
以上は、2018年2月6日と2026年4月28日・10月28日のJNTOの発表をもとにした比較です[1][2][3]。日本を「知ってもらう」段階から、「候補の中から選んでもらう」段階へ移ったことが、ターゲットの変化から読み取れます。
Through Visitors' Eyes何が描かれている?「海外の旅行者が体験したい日本」の場面
英語の報道発表によると、動画は「日本人が見せたい日本」ではなく「海外の旅行者が体験したい日本」を示すという考え方で制作されました。制作には海外の監督を起用し、JNTO特別顧問のデービッド・アトキンソン氏が全体を通じて助言しています[2]。
各季節の動画に登場する場面は、JNTOの資料で次のように紹介されています[1]。
桜前線と花々、旬の味覚
- 各地で桜を見る、日本のお城を訪れる(兵庫県・姫路城)
- 景勝地でボートやカヌー(広島県・宮島カヤック)
- 満開の花(福岡県・海の中道海浜公園)
- 地方の飲食店で食を楽しむ(長崎県・島原手延そうめん)
- いちご狩り(岡山県)、現代アートの美術館(広島県・下瀬美術館)
日本ならではの夏の楽しみ方
- ラフティング(高知県・四万十川)
- 伝統的なお祭りに参加する(青森県・ねぶた祭り体験)
- 伝統工芸・文化体験(青森県・うちわ作り体験)
- かき氷(愛媛県)、ビーチ(沖縄県)
- オーガニック野菜の収穫と食事(福島県・農泊)
紅葉と、日本旅館の滞在
- 各地で紅葉を楽しむ(山梨県・河口湖)
- 日本旅館の滞在を楽しむ(長野県・温泉旅館)
- 大衆的な雰囲気で飲食を楽しむ(東京都・新橋)
- 昔ながらの街並みを散策する(中山道)、京都のスイーツ店
雪の自然と、寺での座禅
- 世界自然遺産でトレッキング(北海道・知床国立公園)
- お寺で座禅体験をする(富山県・瑞龍寺)
- 伝統工芸・文化体験(富山県)
- かに料理、炉端焼き(北海道)、道頓堀(大阪府)
夏編について、JNTOは「近年、日本の夏の暑さへの懸念も聞かれる中」、日本ならではの夏の楽しみ方をコンセプトに特に力を入れて制作したと説明しています。時期と地域の分散、日本各地での滞在を促すことがねらいです。食編では、伝統的な日本食に加えて、イタリア料理やフランス料理などの西洋料理、高級料理から大衆料理まで、幅広い食の魅力を紹介しています[1]。
The 10 Markets事前調査の10市場から、2026年はどれだけ訪れている?
訪日外客数の総数は、1〜9月で前年同期比2.9%減の3,073万200人です。
出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年9月推計値)」2026年10月21日
2026年1〜9月の訪日外客数は、総数では前年同期比2.9%減でしたが、事前調査の対象となった10市場はいずれも前年を上回っています。9月単月では、韓国、インド、中東地域などの7市場が9月として過去最高を記録しました[4]。
キャンペーンの本格展開は10月28日からのため、この数字はキャンペーンの効果を示すものではありません。
What It Means宿泊施設にとって何を意味する?海外で流れる「日本の滞在」の像
今回の動画は、日本を旅行先の候補にしている海外の人々が、実際に日本を選ぶ前に目にするものです。そこには、温泉旅館での滞在、寺での座禅、祭りや伝統工芸の体験、地方の食といった場面が含まれています。こうした場面を見て日本を選んだお客様は、旅先でも同じような体験を期待して来られると考えられます。
JNTOが2026年4月に公表した世界22市場の調査では、訪日旅行で体験したい価値として「地域に根付く伝統芸能を鑑賞する」を選んだ人が、欧米豪・インド・中東地域で31.8%、東南アジア地域で36.5%、東アジア地域で27.8%でした[5]。詳しくは世界22市場調査と伝統芸能の記事でご紹介しています。キャンペーンの事前調査の結果そのものは公表されていませんが、海外の旅行者が日本の文化体験に寄せる関心の大きさは、この調査からもうかがえます。
また、ターゲットが「まだ日本を訪れたことのない人」であることは、初めて日本を訪れるお客様が今後も多く来られることを意味します。何度も日本を訪れているお客様向けの考え方は、訪日リピーターの記事で取り上げています。キャンペーンの土台となった戦略については、新・訪日マーケティング戦略の記事もあわせてご覧ください。
この章は、公開資料をもとにした芸苑道の考察です。
Our Proposal芸苑道からの提案:初めて日本を訪れるお客様に、忘れがたい音のひとときを
ここからは、芸苑道が宿泊施設の皆さまにお伝えしたい内容です。
1.予備知識がなくても伝わる演目と解説を
初めて日本を訪れるお客様は、箏や尺八の音を聴くのも初めてという方が多いと考えられます。耳なじみのある旋律を取り入れた曲や、楽器の成り立ちを短くご紹介する解説を組み合わせると、予備知識がなくても日本の音を味わっていただけます。演目の選定と解説の文面を、芸苑道がご提案いたします(講師1名あたり¥88,000〜)。
2.季節の動画に重なる「季節の音」を
キャンペーンは「いつ来ても楽しめる日本」を伝えています。春には桜を詠んだ曲、夏には涼を感じていただく夕べの演奏、秋には月や紅葉にちなんだ曲など、季節に合わせた構成をご用意すると、お客様が動画で思い描いた日本と、貴施設での滞在が自然につながると考えられます。
3.旅館の滞在そのものに、伝統の音を
秋編には温泉旅館での滞在が描かれています。お部屋や広間、庭など、貴施設の空間に合わせた演奏の設えと、ご夕食や湯上がりの時間に合わせた進行について、ご相談を承っております。現地の条件によっては実施が難しい場合もございますが、その際も率直にお伝えいたします。
Ask Us貴施設に置き換えると
ここまでは、公開されている資料にもとづく事実の整理です。実際に何をどのように組み立てるかは、貴施設の規模・立地・客層・繁閑の形によって変わります。芸苑道では、次のような点を伺ったうえで、貴施設に合う形をご提案しております。
- 問海外の旅行者が思い描く日本の滞在に、貴施設の何が重なるか旅館の滞在や文化体験など、キャンペーンで描かれる場面と貴施設の設えを照らし合わせてご提案いたします。
- 問初めて日本を訪れるお客様に、伝統芸能をどうお伝えするか予備知識がなくても楽しめる演目と、短い解説の形をご一緒に考えます。
- 問夏や春など、季節ごとに伝統の音を添えるには季節の曲や、涼を感じていただく夕べの演奏など、時期に合わせた構成のご相談を承っております。
ご状況を伺ったうえで、実施できる形かどうかを率直にお伝えいたします。芸苑道へご相談はこちら →
FAQよくある質問
「Japan. Unforgettable」とは何ですか?
日本政府観光局(JNTO)が2026年4月28日に始めた訪日旅行促進のグローバルキャンペーンです。秋編・冬編を先行公開し、10月28日に春編・夏編・統合編・食編の動画を公開して本格展開に入りました。
キャンペーンのターゲットは誰ですか?
「訪日したことがなく、今後の旅行先の候補として日本を捉えている層(未訪日の訪日関心層)」です。2018〜2025年の前回キャンペーン「Enjoy my Japan」では、欧米豪の「訪日無関心層」を主なターゲットとしていました。
どの国・地域を調べて制作されましたか?
英国、ドイツ、フランス、北欧、米国、オーストラリア、インド、中東、タイ、韓国の10市場で事前調査を行い、各市場の特性や旅行者の志向を踏まえて動画とメッセージが制作されました。
Sources & References出典・参考文献
- 日本政府観光局(JNTO)「新しいグローバルキャンペーンの全面的なスタートについて」報道発表(別紙を含む)2026年10月28日 https://www.jnto.go.jp/news/_files/20261028_1100.pdf
- Japan National Tourism Organization, "JNTO Launches New Global Campaign: 'Japan. Unforgettable'", April 28, 2026 https://www.jnto.go.jp/en/news/20260508.pdf
- Japan National Tourism Organization, "'Enjoy my Japan' Global Campaign Targets Long-haul Travelers", February 6, 2018 https://res.cloudinary.com/jnto/image/upload/v1518161246/20180206_2_eng_fu8eul.pdf
- 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年9月推計値)」2026年10月21日 https://www.jnto.go.jp/news/press/20261021_monthly.html
- 日本政府観光局(JNTO)「VJ重点市場基礎調査(2024年) 調査結果概要」(報道発表資料 別紙)2026年4月28日 https://www.jnto.go.jp/news/_files/20260428_1400.pdf
本記事は、公的機関・国際機関・学術論文などの公開情報をもとに作成しています(確認日:2026年10月29日)。数値や制度は改定されることがあるため、最新の情報は各出典の公式発表をご確認ください。
